「印象派からその先へ」吉野石膏コレクションを駆け込みで見てきた【覚え書き】
こんにちは。先日、三菱一号館美術館で開催中の『印象派からその先へー世界に誇る 吉野石膏コレクション展』に行ってきました。(会期:2019/10/30~2020/01/20)
印象派など親しみやすい作品が多くて、気になっていた展覧会。会期終了が迫っていたのですが、駆け込みで何とか見ることができました。
印象に残っている出来事は、大きく分けて2つ。今まであまり好みでないと思っていた画家の作品を見て、良さを感じたこと。そして、新たに好きな画家が増えたことです。
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モネとルノワール、少しピサロも
まず、モネとルノワールの作品について。印象派の画家として、日本でも高い人気を誇る2人。でも、個人的には彼らの作品があまり好みではありませんでした。線がはっきりしている作品が好きなので、ボヤボヤしている印象派はどちらかというと苦手な感じ...
しかし、今回の展覧会で、好きな作品に出会うことができました。まず、ルノワールの作品では以下の3つ。
- ≪シュザンヌ・アダン嬢の肖像≫ 1887年 パステル/紙
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=44
(リンクは、公益財団法人 吉野石膏美術振興財団の作品紹介ページ。以下同じHP) - ≪箒をもつ女≫ 1889年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=312 - ≪赤いブラウスを着た花帽子の女≫ 1914年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=48
これらは、80年代後半以降の作品だという共通点が。解説によれば、このころのルノワールは印象派に停滞を感じ、輪郭のはっきりした古典的な傾向へ回帰したそうです。これを「アングル風」と言うらしい。
作品を見てみると、線がはっきりと描かれていることが感じられました。ぼんやりしているよりも、このくらいキリっとした線のほうが好み。
私だけかもしれませんが、ルノワールの絵をたまにマネだと思ってしまうことがあって。ここら辺の年代がちょっと雰囲気が似ているのかなと感じました。このころのルノワールとは分かり合えそうだ、とかちょっと思ったり。
モネの作品は、以下の2点。
- ≪サン=ジェルマンの森の中で≫ 1882年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=265 - ≪テムズ河のチャリング・クロス橋≫ 1903年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=268
有名な≪睡蓮≫や≪印象・日の出≫などは、図録や写真などで見た限りだとピンとこないのですが、上の作品は色使いがおしゃれで好み。
≪サン=ジェルマンの森の中で≫は緑・黄・赤・ピンクなどで森の中を、≪テムズ河のチャリング・クロス橋≫ は紫・ピンク・青・オレンジなどを使って霧で白んだロンドンの景色を描いています。
たくさんの色が境目なく混ざり合ってるさまに、美しさを感じました。
また、ピサロの作品では、以下のものが印象に残りました。ピサロに冬のイメージはなかったのですが、いい雰囲気の絵だなあと。雪をかぶった草木は、白と緑が混じっていて、水が湧いて出ているようにも見えました。
- ≪モンフーコーの冬の池、雪の効果≫ 1897年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=17
シスレーとローランサン
今回、初めて作品を見て好きになったのが、シスレーとローランサン。
シスレーは水辺の作品を多く手掛けたようです。どの作品でも水と空がとてもきれいでした。特に、地上の建物が水面に反射している様子が、とんでもなく美しい。
彼の描く絵は控えめな印象で、見ていると心が洗われるようでした。
- ≪モレ=シュル=ロワン、朝の光≫ 1888年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=248
ローランサンの作品は一目ぼれ。お菓子の缶とか化粧品のパッケージになってそうなおしゃれな感じです。作品に描かれている女性は、真っ白な肌に大きくて黒目がちの目。そして、平坦な姿で描かれていて、現実離れした美しさを持っています。
個人的には、絵画というより、イラストっぽいと感じました。ちなみに、ローランサンは女性画家だそうです。
- ≪五人の奏者≫ 1935年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=275
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マティス!!!
最後に触れておきたいのが、マティス!!!私は彼の作品が大好きで。吉野石膏コレクションには以下の2点があるそうで、どちらも展示されていました。
- ≪緑と白のストライプのブラウスを着た読書する若い女≫ 1924年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=28
- ≪静物、花とコーヒーカップ≫ 1924年 油彩/カンヴァス
http://www.yg-artfoundation.or.jp/sys/art.php?id=261
この2作品はひと目見てマティスっぽいと思いましたし、かなりテンションが上がりました。
なんでこんなに好きなんだろう?これらの作品を見て、やっぱり色遣いに魅かれているのかなと感じました。マティスの作品は、実物で見ると大好きなのに、写真やポストカードになるといまいちなのは、色が関係してる?とか思ったり。
おわりに
今回の展覧会は、作品が大充実していました。マティスもいたし、ルノワールともモネとも和解できたし(私の一方的な思いだけど)。とても楽しかったです。
紹介しておいて、もうほぼ終わりかけなのが申し訳ないのですが、気になった方はぜひ駆け込んでみてください!
他にも、東京国立近代美術館の『窓展』でマティスの作品が見れるので、ぜひ!2020/02/02までやってます。