『ボトルネック』のエンディング曲は、モー娘。『夕暮れは雨上がり』にしてほしいという妄想

 

 

タイトルそのままの妄想。もし『ボトルネック』が映画化したら、という話です。

 

 

 

 

米澤穂信『ボトルネック』

 

今まで読んだなかで最も印象深い作品が、米澤穂信の『ボトルネック』。2006年に刊行された小説です。

 

 

ボトルネック (新潮文庫)

ボトルネック (新潮文庫)

  • 作者:米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/09/29
  • メディア: 文庫
 

 

 

★あらすじ

恋人を弔いに東尋坊を訪れた主人公は、彼女の亡霊に引き込まれるようにして、パラレルワールドに迷い込んでしまう。そこでは、自分の世界では生まれる前に亡くなった姉が生きていて、弟である自分は生まれていない世界。本来出会うはずのない彼らは、お互いの世界がどのように違うのか間違い探しをすることに。そうすると、姉のいる世界のほうが、なにもかもいい方向に変化していることを知ってしまう

 

 

間違い探しをすればするほど、自分が必要のない人間だと悟っていく主人公...

 

救いようがないけど、とても好きな作品。初めて読んだのが中学生のときで、その当時の鬱々とした気持ちに合っていたからかも。

 

 

で、ここからが本題。

 

もし『ボトルネック』が映画化したら、エンディングでモーニング娘。の『夕暮れは雨上がり』を流してほしい。

 

 

モーニング娘。『夕暮れは雨上がり』

 

『ボトルネック』を初めて読んでから数年後、モー娘。の『夕暮れは雨上がり』がリリースされました。

 

美しいメロディーと、つらくても前を向いて進んでいく歌詞の組み合わせが、なんとも切ない気持ちになる曲。

 

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人によって解釈が分かれると思いますが、私は『ボトルネック』のラストは救いようのないバッドエンドだと思っていて。 

 

 

小説のバットエンドと、つらくても前を向く歌詞の組み合わせは、最高の皮肉。主人公がパラレルワールドで経験する皮肉な出来事と重なるので、エンディングにピッタリだと思いました。

 

また、美しいメロディーによって主人公のこれまでのつらさが浄化されるような気もして。ラストシーンでこれが流れたら私は映画館で引くほど泣くと思う...

 

 

『ボトルネック』とリンクする歌詞

 

『夕暮れは雨上がり』のなかから、『ボトルネック』にリンクする歌詞を引用します。

 

 

だれにも見せたくない こんな涙顔は
作詞:つんく♂

 

サキ(生まれなかった姉)と別れるとき主人公の気持ちはこんな感じかな、と。

 

 

夕暮れは雨上がり 私の胸に希望の光 照らしてくれました

思い出すわ楽しい日々 懐かしい日々 もう戻らないね

 

主人公にとって、恋人のノゾミは一筋の光だったと思う。だけど、自分の世界ではもう帰らぬ人になっているというやるせなさ。

 

 

頑張っていることは 私もそうね あの子もそうよ

 

主人公も頑張っていたし、サキも頑張っていた。でも、結果は全く違うものになってしまった。何とも皮肉な結末。

 

 

おわりに

 

『夕暮れは雨上がり』発売時から約5年くらい温めていた妄想を、文章にしてみました。

 

久しぶりに『ボトルネック』を読み返そうかな。